ゴダール『映画史』2A 映画だけが
(Jean-Luc Godard, Histoire(s) du cinema. 2a: Seul le cinema, 1994-1998)
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1/2, 2/2
基本構成は『映画史』1A・1Bと変わらず、2A・2Bでも書斎でタイプライターの前に座り省察に耽るゴダールの姿と、映画ばかりでなく絵画や文学作品や音楽が引用・リミックスされ、様々な角度から映画の/映画に関する考察が積み重ねられていく。しかしこの2Aの冒頭では映画批評家セルジュ・ダネーへのインタヴューが挿入され、とりわけヌーヴェルヴァーグと歴史との関わりについての対話がなされる。そして途中、ジュリー・デルビーによる詩の朗読風景も挿入される一方で、ボードレールへの言及がいくつかの箇所で見うけられ、また「映画だけが」というこの章のタイトルだけでなく「どうして複雑にするのか?」などの命題が繰り返される。ゴダールはこの章をサンチャゴ・アルバレスらに捧げている。
(『現代思想』1995年9月臨時増刊号「総特集=ゴダールの神話」、「フィルモグラフィ」の彦江智弘執筆の項から抜粋)
■追記(2007年12月14日)
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自己紹介
- ttt
- チャット部屋: http://digicha.jp/tel_que/chat_s_view.html 連絡先: ceintureverte_at_gmail.com(_at_を@に置き換える) 「本棚写真/本好きへの100の質問回答」が一番自己紹介になってるのだと気づいた。
2007年6月22日金曜日
2007年6月21日木曜日
ジガ・ヴェルトフ集団『ウラジミールとローザ』(1970)
ジガ・ヴェルトフ集団「ウラジミールとローザ」
(Dziga Vertov Group, Vladimir et Rosa, 1970)
監督・脚本・撮影・録音・編集:ジガ・ヴェルトフ集団(ゴダール、ジャン=ピエール・ゴラン)
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1/2, 2/2
1968年8月のシカゴ民主党大会で騒乱を画策したとして起訴された、いわゆる「シカゴ八人組(Chicago Eight)」の裁判記録を基に、ジガ・ヴェルトフ集団の織りなす風刺劇。ゴダールとゴランはウラジミールとローザと称していわば道化役に回り、この裁判劇にコメントしたり、登場人物が行うテニス試合の横で互いにインタヴューしあったり、音声を録音したりする。バーレスク趣味が横行し、スラップスティック喜劇やテックス・アヴェリーのアニメのようだという評もある。
(『現代思想』1995年9月臨時増刊号「総特集=ゴダールの神話」、「フィルモグラフィ」の中条省平執筆の項から抜粋・改変)
■追記(2007年12月14日)
数ヶ月前のニコニコ動画運営側の調整によって、アカウントなしで見るためのニコニコ動画ビューアが通用しなくなったため、該当URLへのリンクは削除した。
(Dziga Vertov Group, Vladimir et Rosa, 1970)
監督・脚本・撮影・録音・編集:ジガ・ヴェルトフ集団(ゴダール、ジャン=ピエール・ゴラン)
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1/2, 2/2
1968年8月のシカゴ民主党大会で騒乱を画策したとして起訴された、いわゆる「シカゴ八人組(Chicago Eight)」の裁判記録を基に、ジガ・ヴェルトフ集団の織りなす風刺劇。ゴダールとゴランはウラジミールとローザと称していわば道化役に回り、この裁判劇にコメントしたり、登場人物が行うテニス試合の横で互いにインタヴューしあったり、音声を録音したりする。バーレスク趣味が横行し、スラップスティック喜劇やテックス・アヴェリーのアニメのようだという評もある。
(『現代思想』1995年9月臨時増刊号「総特集=ゴダールの神話」、「フィルモグラフィ」の中条省平執筆の項から抜粋・改変)
■追記(2007年12月14日)
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ゴダール『二十一世紀の起源』(2000)
ゴダール『二十一世紀の起源』
(Jean-Luc Godard, De l'origine du XXIe siécle, 2000)
See (in Niconico doga)
1/3, 2/3, 3/3
本作品はカンヌ映画祭の要請により、カナル・プリュスの共同製作で作られ、2000年の映画祭の開会式で上映された。ハンス・オッテのミニマル風の静謐なピアノ曲が流れる中、年号がシンプルに「1990」から「1900」まで15年ずつ遡って表示され、ヴァン・ヴォークト、ベルクソン、バタイユ、ギヨタらの断片が二人の男女によって読まれるとともに(男声はギヨタが受け持っている)、キューブリックの『シャイニング』、ゴダール自身の『勝手にしやがれ』のラストシーン、ロジェ・レーナルトの『最後の休暇』、マルローの『希望』、ドライヤーの『吸血鬼』などの映像が、戦争関連のニューズディールやポルノグラフィと混ぜ合わされて登場する。
「失われた世紀を求めて」展開されるこの探求は、「GOULAG」から「LAGER」への語呂合わせ的な文字の変移に明瞭なように、コソヴォから第二次世界大戦に至る20世紀の惨禍をライトモチーフにし、技法的な観点からも『映画史』の付録のような位置を占め、また『アワーミュージック』の地獄篇に通じる作品となっている。
(『ユリイカ』2002年5月号「特集=ゴダールの世紀」、堀潤之「ゴダール・フィルモグラフィー 1987-2001」から抜粋・改変)
director: Jean-Luc Godard
script: Jean-Luc Godard
music: ハンス・オッテ(Hans Otte)
text: ヴァン・ヴォークト(Van Vogt), アンリ・ヴァカン(Henri Vacquin), アンリ・ベルクソン, ジョルジュ・バタイユ, ジャン=ベニーニュ・ボシュエ(Jean-Benigne Bossuet), ピエール・ギヨタ(Pierre Guyotat)
voice: ピエール・ギヨタ、ロナルド・アリエル・シャマ(Ronald Ariel Chammah)
photo: ジュリアン・ハーシュ(Julien Hirsh)
mix: フランソワ・ミュジー、ガブリエル・ハフナー(Gabriel Hafner)
production: ヴェガ・フィルム(Vega Films)
対訳シナリオはこちら
注
* ボシュエ(1627-1704)はルイ14世に仕えた神学者であり、王権神授説を唱えた。数多くのテキストを残し、当時の文学者としても著名。
* ギヨタ(1940-)は小説家・舞台演出家。邦訳には『五十万人の兵士の墓』『続五十万人の兵士の墓』(二見書房)、『エデン・エデン・エデン』(ペヨトル書房)がある。ギュヨタ、ギュイヨタとも表記されている。
ネットにある『エデン・エデン・エデン』についての記事:
http://www1.ocn.ne.jp/~ppl/epaves01/guyotat.htm
http://www.fuchu.or.jp/~d-logic/jp/books/edenedeneden.html
また、演劇演出とゴダールの関係についての小文:
http://homepage3.nifty.com/musicircus/ecm/ecm_ns/1706_9.htm
* シャマは、ゴダール作品にもたびたび登場したイサベル・ユペールの夫であり、監督作『鳶(Milan noir)』(1988)、ジャンヌ・フーシェとの共著(『イサベル・ユペール 肖像の女性』、Seuil, 2005)がある。
■追記(2007年12月14日)
数ヶ月前のニコニコ動画運営側の調整によって、アカウントなしで見るためのニコニコ動画ビューアが通用しなくなったため、該当URLへのリンクは削除した。
■追記(2009年3月4日)
仏/英/邦対訳シナリオのリンクを忘れていたので改めて付した。
(Jean-Luc Godard, De l'origine du XXIe siécle, 2000)
See (in Niconico doga)
1/3, 2/3, 3/3
本作品はカンヌ映画祭の要請により、カナル・プリュスの共同製作で作られ、2000年の映画祭の開会式で上映された。ハンス・オッテのミニマル風の静謐なピアノ曲が流れる中、年号がシンプルに「1990」から「1900」まで15年ずつ遡って表示され、ヴァン・ヴォークト、ベルクソン、バタイユ、ギヨタらの断片が二人の男女によって読まれるとともに(男声はギヨタが受け持っている)、キューブリックの『シャイニング』、ゴダール自身の『勝手にしやがれ』のラストシーン、ロジェ・レーナルトの『最後の休暇』、マルローの『希望』、ドライヤーの『吸血鬼』などの映像が、戦争関連のニューズディールやポルノグラフィと混ぜ合わされて登場する。
「失われた世紀を求めて」展開されるこの探求は、「GOULAG」から「LAGER」への語呂合わせ的な文字の変移に明瞭なように、コソヴォから第二次世界大戦に至る20世紀の惨禍をライトモチーフにし、技法的な観点からも『映画史』の付録のような位置を占め、また『アワーミュージック』の地獄篇に通じる作品となっている。
(『ユリイカ』2002年5月号「特集=ゴダールの世紀」、堀潤之「ゴダール・フィルモグラフィー 1987-2001」から抜粋・改変)
director: Jean-Luc Godard
script: Jean-Luc Godard
music: ハンス・オッテ(Hans Otte)
text: ヴァン・ヴォークト(Van Vogt), アンリ・ヴァカン(Henri Vacquin), アンリ・ベルクソン, ジョルジュ・バタイユ, ジャン=ベニーニュ・ボシュエ(Jean-Benigne Bossuet), ピエール・ギヨタ(Pierre Guyotat)
voice: ピエール・ギヨタ、ロナルド・アリエル・シャマ(Ronald Ariel Chammah)
photo: ジュリアン・ハーシュ(Julien Hirsh)
mix: フランソワ・ミュジー、ガブリエル・ハフナー(Gabriel Hafner)
production: ヴェガ・フィルム(Vega Films)
対訳シナリオはこちら
注
* ボシュエ(1627-1704)はルイ14世に仕えた神学者であり、王権神授説を唱えた。数多くのテキストを残し、当時の文学者としても著名。
* ギヨタ(1940-)は小説家・舞台演出家。邦訳には『五十万人の兵士の墓』『続五十万人の兵士の墓』(二見書房)、『エデン・エデン・エデン』(ペヨトル書房)がある。ギュヨタ、ギュイヨタとも表記されている。
ネットにある『エデン・エデン・エデン』についての記事:
http://www1.ocn.ne.jp/~ppl/epaves01/guyotat.htm
http://www.fuchu.or.jp/~d-logic/jp/books/edenedeneden.html
また、演劇演出とゴダールの関係についての小文:
http://homepage3.nifty.com/musicircus/ecm/ecm_ns/1706_9.htm
* シャマは、ゴダール作品にもたびたび登場したイサベル・ユペールの夫であり、監督作『鳶(Milan noir)』(1988)、ジャンヌ・フーシェとの共著(『イサベル・ユペール 肖像の女性』、Seuil, 2005)がある。
■追記(2007年12月14日)
数ヶ月前のニコニコ動画運営側の調整によって、アカウントなしで見るためのニコニコ動画ビューアが通用しなくなったため、該当URLへのリンクは削除した。
■追記(2009年3月4日)
仏/英/邦対訳シナリオのリンクを忘れていたので改めて付した。
2007年6月5日火曜日
本棚写真/本好きへの100の質問回答
本好きへの100の質問
本棚写真
本好きへの100の質問
(2009.11.20.投稿記事)
本好きへの100の質問
こういうのに答えること自体うんざりだ、って人も絶対にいるはずで、私はたぶんそういう人なのだけど、回答してみた。大体、惹句が「全国の、活字中毒者さんと普通の本好きさんにおくります。」だけど、本好きじゃないもん。つか、本当に誰が読むんだこんな記事……。
001. 本が好きな理由を教えてください。
好きってよりも、結果的に読んでた/溜まってた。
002. 記憶に残っているなかで、最も幼い頃に読んだ本は?
ポプラ社の少年向け乱歩とかルブランとか。
003. はじめて自分のお小遣いで買った本を教えてください。また、その本を今でも持っていますか?
赤川次郎とか買ってた気がする。中1あたり。持ってない。
004. 購読している雑誌はありますか?
ない。机周辺を見渡してたまに買ってたのに気づくのが『思想』『現代思想』。あと、ちくま学芸とか岩波文庫って、すぐに読むかどうかはともかく、雑誌のように買うものだと思ってた。勢いでって意味で。
005. 贔屓にしているWEBマガジンはありますか?
ない。2001年作成だからか質問条項が古いと思う。今だったらblogとかになるんじゃないですか。けどそんなにblog読まない。あ、強いて贔屓といえばサシツササレツ。
006. 書籍関連のHPの、どんなところに注目しますか(書評や感想文等々)。
これって書評blogとか勉強がてら読んで要約するblogとかのことでしょうね。書籍選択の注目基準なら「自分が読みそうで、でもしばらく手をつけそうにない領域・著者の・読んでない本」。記事内容・文章での基準だともろもろあるので後略。
007. 最近読んだ本のタイトルを教えてください。
大抵の本は3割から8割で読むのを止めて、別の併行読みに気がついたら移ってる。最近読了したのってゴイティソーロ『サラエヴォ・ノート』ぐらい。
008. ベストセラーは読む方ですか?
読まない。
009. 御贔屓は、どんなジャンルですか?
ちくま学芸文庫ってジャンルなのかもしれないですね。ベンヤミン、レヴィナス、バタイユが机周辺によく転がってるのを見てそう思った。
010. あなたは活字中毒ですか?(それはどんな症状としてあらわれていますか)
活字中毒だと思ったことない。
011. 月に何冊くらい読みますか?
下手をすれば2冊を切る。大抵5~8冊ぐらい。
012. あなたは本の奥付をちゃんとチェックしますか? するとしたら、その理由は?
する。訳者の既訳書見たり、出版年を何の気なく確認したり。
013. 文庫本の値段として「高い」と感じるのは幾らからですか?
2000円超えたら。
014. 本は書店で買いますか、それとも図書館で借りますか。その理由は?
買った方が断然読む弾みになるけど、買ったからといって(不幸にして)必ず読むわけでもない。
015. あなたは「たくさん本を買うけど積ん読派」それとも「買った本はみんな目を通す派」のどちらでしょう?
前者。買うときはもちろん読もうと思ってるけども。
016. 行き場に困ったとき、とりあえず書店に入ってしまう。そんなことはありますか?
ない。地理条件に拠るし、行き場にも困らない。周りに「書店がない」なんてざら。都内歩いてて、当初行くつもりがなかったのに立ち寄ることはある。
017. 馴染みの書店・図書館に、なにかひとこと。
ない。
018. あなたは蔵書をどれくらい持っていますか。
たぶん3000~8000の間。
019. 自分の本棚について、簡単に説明してください(“小説が多く実用書が少ない”等々)。
安い材料で組み合わせてるので見かけ上不安。
020. 本棚は整理整頓されていますか。
されていない。
021. 既に持っている本を、誤って買ってしまったことはありますか? その本のタイトルは。
ある。『マルクスの亡霊たち』をネットと書店で同時重複購入した。
022. 気に入った本は、自分の手元に置かないと気が済まない?
実際にいつでも読まないとしても、買う目的ってそういうものでしょ。
023. 本に関することで、悩んでいることは?
場所食うから邪魔。ボタン押したらカプセルとかにならないか。あと、値段と古書流通条件がこの先悪化しそうなこと。
024. 速読派と熟読派、あなたはどちらに該当しますか。
熟読派。だけど、ズボラだから粗はかなりあるはず。粗読みでいいんだよ、と思いつつ勝手に自分の感覚で熟読。でなきゃたぶん本読みなんて続かないと思う。
025. 本を読んでいて分からない言葉があったとき、意味を調べますか?
調べたり調べなかったり。文章から類推できれば調べないで済ませ、適当に文字列だけアンダーラインでも引いておく。外国語の場合、一応辞書ぐらいは引く。
026. 本を読む場所で、お気に入りなのは?
ファミレスとかラーメン屋で小一時間居座って読むのが一番集中できてる気がする。
027. あなたは今、めったに読むことのない分厚い本を前にしています。ところでこの本「すごくおもしろい」という、いつもは信頼できる情報を得たはずなのに、最初の部分がやたらにつまらない。そんなときどうしますか?
気にせず読む or 無視して次の章読む or 唐突に真ん中から読む or 索引から読み出す or 注から読み出す or しばらく机の隣に寝かせておく
028. 本を読むときに、同時になにかすることはありますか?(例:お茶を飲む、おやつを食べる、音楽をかける)
大抵煙草すってるか、音楽か、コーヒー。
029. 読みかけの本にはさむ栞は、何を使っていますか?
鉛筆。
030. ブックフェアのグッズを新たに誕生させることになりました。あなたが「これなら欲しい」と思うグッズを考えてください。
書籍でグッズをほしいと思ったことがない。
031. 無人島1冊だけ本を持っていけるとしたら、何を選びますか。
「次これをがっつり読みたいなあ」とそのとき思ってるもの。そもそも無人島行きたくない。
032. 今、最も欲しい本のタイトルをどうぞ。
ほしいと思ったときには大抵買ってる。ヘーゲル全集や以文社のヘーゲル、マルクスエンゲルス全集が落ちてたら拾いたい。
033. 生涯の1冊、そんな存在の本はありますか? その本のタイトルは。
ない。あったらもう本を読まないだろうし、あってもしょうがないんじゃないかな。
034. 何度も読み返してしまうような本はありますか? その本のタイトルは。
こだわってる本は大抵一度読みか半読みだったりする。そして記憶の中で文章を捏造してることも多い。
035. おきにいりの作家ベスト5と、理由をお願いします。
・デリダ
真面目に不真面目、真面目ゆえに不真面目。タフだなーと思う。
・柄谷
カンがいい。けれど、カンの生かし方を大抵失敗するところが酷い。だけどあまり読み返さない。「カンでいいんだよこんなもん!」という意味では嫌いになれない。柄谷の文章は大抵、「言ってること」よりも「それを著者に言わしめているカン」が重要で、後者を引き継いだ人ってあまりいないと思う。
・ロブ=グリエ
描写、記述、フィクションなんか勝手にやればいいんだよ、と励まされる。
・この三人だけじゃいろいろおかしすぎだろ、と思うが無理矢理増やしても変なのでこのへんで
036. 好きなシリーズ物はありますか?
シリーズって一体何なんだろう。系譜と言い換えるなら、19-20世紀独仏哲学の系譜とか。
037. 本を選ぶときのポイントを教えてください。
足しになるかどうか…なんだと思う。実際になってるかどうかはわからないが。
038. 翻訳小説は、訳者にこだわる方ですか。
あまり気にしない。が、的確さとか訳語とかに結構執拗にこだわる。最終的には「どうでもいいじゃん」と思うことしばしば。
039. 信頼できる書評家は誰ですか?
特にいない。関心があう友人ぐらい。
040. 絵本は好きですか? 好きな方は、好きな絵本のタイトルを教えてください。
いや。あんまり読んだことがない。
041. 本は内容を先に読む方ですか、それとも、あとがきから読む方ですか?
あとがきから読む。ときには最終章から読む。
042. 読みたいのに読めない本はありますか? その理由は。
時間の問題か価格の問題か堪え性の問題。
043. ノンフィクション作品のおすすめを教えてください。
ノンフィクションと言われると伝記しか思いつかなかった。フランソワ・ドス『ドゥルーズとガタリ 交差的評伝』、グリーンブラット『シェイクスピアの脅威の成功物語』
044. あなたの好きな恋愛小説を教えてください。
恋愛小説読まない。
045. 泣けてしまった本を教えてください。
泣いた記憶がない。
046. 読んでいるだけで、アドレナリンが分泌されてくるような本は?
ニコラ・アブラハム/マリア・トローク『狼男の言語標本 埋葬語法の精神分析』とか、ドゥルーズのルイス・ウルフソン評とか。たぶん病気。
047. もう2度と読みたくない本は、ありますか?
そういう本は大抵読み終えないから、1度目がない。
048. 良くも悪くも「やられた!」と思った本はありますか?
岡崎乾二郎のいくつかの文章・発言を読んだとき「先に言われた」と思った。
049. 読む前と読後感が違っていた(食わず嫌いだった)本は?
特に、となるとデリダ。
050. 子供にプレゼントしたい本のタイトルを教えてください。
子供にプレゼントしたいと思ったことがない。スティーブン・ジェイ・グールドとかベイトソンかな。
051. お気に入りの出版社と、その理由を教えてください。
強いて言えば月曜社。小規模なのに頑張ってるから。
052. それでは苦手な出版社は? その理由を教えてください。
とりたてて苦手だと意識したことがない。
053. この本で読書感想文を書いた、という記憶に残っている本はありますか? あれば、そのタイトルは?
読書感想文と言われると小中高のことしか思い出せない。ポーの『黒猫』で書いたことだけ覚えてる。子供のころに読書感想文書くと、最初の数行で書きたいことが終わるから、文章にならないよね。
054. 装丁が気に入っている本を教えてください。
カバー剥いで読んでしまう。造本、厚さ、文字サイズ、紙面内文字率なんてほとんど部数と原本と需給で見積もられるから、作り手の「好み」だけが出やすいのって表紙デザインになるんじゃないかな。初期の月曜社のブランショ、アガンベン、デュットマンの本は「文字組と色面、ペーパーバックって統一スタイルでいけんだよ!(川畑直道装丁) 安価だし、みすずだって法政だってそうじゃん」の勢いが好きだった。そんなもんでいいんじゃね?
055. あなたは漫画が好きですか?
特には。
056. お気にいりの漫画家ベスト5と、好きな作品について教えてください。
岩明均『雪の峠』、真刈信二/赤名修『勇午』、都留泰作『ナチュン』、長谷川哲也『ナポレオン』
057. サイン本を持っていますか?(タイトルと作家名は?)
岡崎乾二郎『ルネサンス 経験の条件』。あと、「買ったらなぜかサインが入ってる献呈本だった」ことがある。
058. 持っているのを自慢したいそんな本はありますか?
特にない。ただ、在庫切れの本を借りてきてスキャンして簡易自家製本して読んでたのが、人から珍しがられる。
059. 東・西・南・北……漢字を選んで、浮かんだ本のタイトルを書いてください(実在する書名に限ります)。
はやしさんの4つが印象的でもう浮かばない。質問の意を汲めば、カント/ヘーゲル、ハイデガー、マルクス、デリダの4極で座標を作れということなのかな。
060. 短編小説集を買ったら、全部読みますか? それとも、その中から気に入った作品しか読みませんか?
短編小説集にかぎらず、この二通りに分岐する。分岐の規則はそのつどの惰性。
061. 憧れのキャラクターを教えてください。
いない。「著者のキャラクター」なら悩みどころ。スガ秀実の地味さとか好き。
062. 印象的な女性キャラクターを教えてください。
上に同じく著者でいこう。アレント。しかしアレントって読んでて異様に退屈しない? いや、読んでる途中がって意味で。
063. 印象的な男性キャラクターを教えてください。
ゼーバルト『アウステルリッツ』に出てくる最初の方のアウステルリッツが「まるで君みたいだね」とか人に言われて、えっと思った。
064. 先生といえば?
誰々を先生と呼ぼうとするとき、自分との絆があるというのを確証したくてやっちゃうものですよね。師弟関係とかさ。その誘惑に乗るのはさておき、とりあえず「デリダから意外にたくさん学んだ」気がする。
065. 探偵といえば?
探偵か……妄想的に「これはこうなんだよ!」と読解したり接合するのは探偵に似てると思う。ただし犯人はいない。『マダム・エドワルダ』に出てくる売春婦みたいなのがきっと犯人でしょうね。で、バタイユが笑うんだ。
066. ベストカップル、ベストコンビといえば?
コジェーヴとラカンとか? 因縁がらみのcomplicationしか浮かばないな。ハイデガーとデリダとか、レヴィナスとデリダとか、マルクスとドゥルーズ&ガタリとか。
067. 本に登場する場所で、行ってみたいと思うのは?
どこに行ってもそこにいないような気分になるから、行く行かないってあんまり関係ないと思う。
068. 子供の出てくる作品といえば?
ストローブ&ユイレの『アン・ラシャシャン』。
069. 動物の出てくる作品といえば?
ドゥルーズ『スピノザ』(スピノザの飼ってた蜘蛛)、ユクスキュル『生物から見た世界』。ニコラ・フィリベールのDVD『動物、動物たち』を買おうかどうか…。
070. これまで出会った中で、もっとも感情移入できたキャラクターは?
感情移入ってあんまりしないなあ。著者でも。ゴダールがナルシスティックに「ヌーヴェル・ヴァーグ…それは一つの新しい波だった」とか明らかに意味合いをでっち上げて物事を回想し、自分の記憶を素材に別物に作り変えるそぶりを見ると、「わかるわかる」とは思う。ゴダールって、自分のバネにするためになら個人的な記憶をなんでも使うって人だね。
071. 本の登場人物になれるとしたら、誰(何)になりたいですか?
なりたいと思ったことないな。キェルケゴールやデュシャンみたいに安穏に生きれたら最高だけど。
072. 夢中になった作家、現在進行形で夢中な作家の名前を教えてください。
夢中ってあんまりならない。「ラクー=ラバルトいいよね!」って気分に最近なってる。
073. 1日だけ作家になれるとしたら、誰になりますか。
死ぬ前のデリダになって、「私の晩年を倫理的展開などと考えてはならない。知られざる転回に着手した途上で私は死ぬゆくだろう」とか大いに挑発的な文言を残してみたい。
074. 編集者になるとしたら、どの作家の担当になりたいですか?
なりたくない。でも「小間使い・世話役」の役割はともかく、発行者/編集者/著者というレイヤーって今後きっちり論じられた方が面白いと思う。ミニュイのジェローム・ランドンとかロブグリエが下読み役やってて監査してたとか、フランス文壇・哲学における雑誌や叢書のチーフになるという伝統とか。このレイヤーの絡み合いってもうちょっと考えられることや考えるだけの材料があるんじゃないかな。
075. 好きな作家に原稿を依頼するとしたら、どんな作品を希望しますか。作家名とジャンルを教えてください。
これも著者で想定するとして…現在、著者に対して編集者が持てる権限ってそんなに無いよね。「翻訳依頼」ぐらいじゃないかな。この質問の73-76って読者が著者を代行したいという願望ゆえにあるんだろうけど、代行よりやるべきこといっぱいあるんじゃないの? と疑問に思う。
あと、原稿依頼じゃないけど、ネグリ来日失敗のときに「衛星放送だろうとネット中継だろうといいから週1で講義とか講演流せる体制組めば?」と思った。問題は来日するしないじゃないでしょ。で、ネグリつながりのある人ってそこそこいるじゃん日本にも。市田良彦とか。なんで「ネグリよこせ。週1時間でいいから、内容は他国でやってる講演とかぶってもいいから」という声にならないんだろう。
076.「あの作家に、これだけは言いたい」……ひとことどうぞ!
大抵誰かにどこかで言ってるからもういいや。
077. 紙幣の肖像、私ならこの文豪を選ぶ!
どうでもいい。そういえばゴダールがパニョルを引用して、「鉄仮面をはぎとった後にはクローズショットの起源があった。それは硬貨に彫られた王の肖像である」というのが『映画史』2Bであったけど、みんな王権が好きなんだろうか。背後にいる「金gold」がいわば本体みたいな。金本位制の崩壊と王権の問題ってつながるんでしょうかね。
078. 文章と作家のイメージが違っていた、そんなことはありますか?
大抵違ってるような…。
079. あなたにとって、詩人といえば。
詩とは散文に対して否定的媒介となるもので、何らかの現前性を志向すると詩に「なっちゃう」んじゃないかなあ、と最近思う。というわけで月並みだけど、ヴィジョンの真理の現前ということでランボー。
080. 家族……この単語から連想した本のタイトルを書いてください(実在する書名に限ります)。
ジャック・ドンズロ『家族に介入する社会 近代家族と国家の管理装置』
081. 本を捨てることに抵抗がありますか?
本のみならず、「その本を読んだ自分」をときには捨てた方がいいと思う。自分自身をスパっと切るセンスって重要じゃないかな。実際に本を捨てたことはない。だって、取り戻すのに手間食うもの。売っても金にならんし。
082. これだけは許せない、そういう本の扱い方はありますか?
ない。ページ割って開くし、開きすぎてセロテープで直すし、文庫ならばらしてホチキスで止めることも。たまにボールペンで書き込むし、頁の端も折り曲げる。
083.“活字離れ”について、どう思いますか?
半読みだったり積んだり放置したりする私は、活字に離れつつ接しつついるようなものです。
084. 本を読まない人のことを、どう思いますか?
読む人は勝手に読めばいいし、読まない人はそれはそれで。本を読んだからといってどうというものでもない。あと、「読んでないにもかかわらず先手を打つ」とか重要だと思う。具体的に言いにくいけど。
085. とりあえず、本を持っていないと落ち着かない。そんな癖がありますか?
ない。外出の際には1,2冊バッグに入ってるが、読むとは限らない。
086. 世界中で、本の出版が禁止されたら、どうしますか?
考えがたい。識字教育と人材生産にとって書籍を介することがなくなるとは思えないし、それらを阻止することが世界的に出現する事態もまずありえない。
087. 青空文庫を利用したことがありますか?
ある。でも組版込みのpdf化をした方が利用可能性が高まると思う。
088. 電子図書館についてどう思いますか?
上と同じく。ブリュースター・ケイル(Brewster Kahle)の仕事はもっとまとまって紹介された方がいいんじゃないかな。UBUと訴訟沙汰とかそういういろんな問題も含めて。
089. 将来的に、本という存在は無くなると思いますか?
086と同じ。
090. 本が無くても生きていけると思いますか?
思う。
091. この人の薦める本なら読んでみたい、そう思う有名人を教えてください。
039と同じ。特にいない。
092. 映像化してほしい本はありますか?
093. テレビ化・映画化で成功したと思う作品を教えてください。
094. 本の中に再現したいと思う(実際に再現した)場面はありますか?
あんまりそういう欲望を抱かないし、そういう目で見ない。ストローブ&ユイレがそういう意味では面白いけど、「映像化」とか言われるとしっくりこない。別媒体への翻訳という問題でしょうね。
095. あなたにはどうしても読みたい本があります。その本は既に絶版・品切。さあ、どうしますか?
オンライン古書店で買えばいいじゃん。ただ、今後、部数と古書市場流通そのものが減ってくるから、古書購入のチャンスそのものが難しくなり、公共図書館の問題が出てくるでしょうね。データ公開と高性能個人製本機のコンビはもう少し実現しないだろうし。
096. 本という存在に対して、文句はありますか?
邪魔になってくれなくて、価格決定プロセスが変化すれば、面白くなるだろう。
097. 心に残っている言葉・名台詞は?(原典も明記してください)
「忠実ゆえの不忠実」 (デリダの中期以降は大抵の本で出てくると思う)
098. あなたにとって、本とおなじくらい蠱惑的なものは何ですか。
そもそもあまり本に蠱惑的なものを感じないような。すれ違い続けるのが本なんじゃないでしょうか。そして何事もそんなもんだと思う。
099. 出版業界にひとことどうぞ。
86-99は媒体としての本って話だね。主権行使、商業活動、資金投入・図書館の公共的領域の三層構成を是正できませんか? 復刊ドットコムなんて商業活動による一極集中しかないのだと暗に肯定してるようなもんでしょう。いや、今だとそれしかないのは理解できますし、版元が苦しかったり在庫切れも構造上仕方がないのはわかりますが、なんで「他のあり方もありうる」とか誰も荒唐無稽に語り出さないのか。
100. つまるところ、あなたにとって本とは。
脳に直接注入したりテレパシーが生じないことには、言語にならざるをえないでしょうねえ、というもの。
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本棚写真
(2009.6.5.投稿記事)
はやしさんのところで本棚晒しの話題になったので、画像記事作り練習とTB記事練習を兼ねて。ふむふむ、ブログ記事として表示されるときはこのサイズが限界なのかな。width: 300px; height: 400px;となってるからいじればもうちょっと大きくできそうだけど。クリックすると画像のオリジナルのサイズに巨大化します。
2007年初頭に撮ったもの








2008年10月に撮ったもの




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本棚写真
本好きへの100の質問
(2009.11.20.投稿記事)
本好きへの100の質問
こういうのに答えること自体うんざりだ、って人も絶対にいるはずで、私はたぶんそういう人なのだけど、回答してみた。大体、惹句が「全国の、活字中毒者さんと普通の本好きさんにおくります。」だけど、本好きじゃないもん。つか、本当に誰が読むんだこんな記事……。
001. 本が好きな理由を教えてください。
好きってよりも、結果的に読んでた/溜まってた。
002. 記憶に残っているなかで、最も幼い頃に読んだ本は?
ポプラ社の少年向け乱歩とかルブランとか。
003. はじめて自分のお小遣いで買った本を教えてください。また、その本を今でも持っていますか?
赤川次郎とか買ってた気がする。中1あたり。持ってない。
004. 購読している雑誌はありますか?
ない。机周辺を見渡してたまに買ってたのに気づくのが『思想』『現代思想』。あと、ちくま学芸とか岩波文庫って、すぐに読むかどうかはともかく、雑誌のように買うものだと思ってた。勢いでって意味で。
005. 贔屓にしているWEBマガジンはありますか?
ない。2001年作成だからか質問条項が古いと思う。今だったらblogとかになるんじゃないですか。けどそんなにblog読まない。あ、強いて贔屓といえばサシツササレツ。
006. 書籍関連のHPの、どんなところに注目しますか(書評や感想文等々)。
これって書評blogとか勉強がてら読んで要約するblogとかのことでしょうね。書籍選択の注目基準なら「自分が読みそうで、でもしばらく手をつけそうにない領域・著者の・読んでない本」。記事内容・文章での基準だともろもろあるので後略。
007. 最近読んだ本のタイトルを教えてください。
大抵の本は3割から8割で読むのを止めて、別の併行読みに気がついたら移ってる。最近読了したのってゴイティソーロ『サラエヴォ・ノート』ぐらい。
008. ベストセラーは読む方ですか?
読まない。
009. 御贔屓は、どんなジャンルですか?
ちくま学芸文庫ってジャンルなのかもしれないですね。ベンヤミン、レヴィナス、バタイユが机周辺によく転がってるのを見てそう思った。
010. あなたは活字中毒ですか?(それはどんな症状としてあらわれていますか)
活字中毒だと思ったことない。
011. 月に何冊くらい読みますか?
下手をすれば2冊を切る。大抵5~8冊ぐらい。
012. あなたは本の奥付をちゃんとチェックしますか? するとしたら、その理由は?
する。訳者の既訳書見たり、出版年を何の気なく確認したり。
013. 文庫本の値段として「高い」と感じるのは幾らからですか?
2000円超えたら。
014. 本は書店で買いますか、それとも図書館で借りますか。その理由は?
買った方が断然読む弾みになるけど、買ったからといって(不幸にして)必ず読むわけでもない。
015. あなたは「たくさん本を買うけど積ん読派」それとも「買った本はみんな目を通す派」のどちらでしょう?
前者。買うときはもちろん読もうと思ってるけども。
016. 行き場に困ったとき、とりあえず書店に入ってしまう。そんなことはありますか?
ない。地理条件に拠るし、行き場にも困らない。周りに「書店がない」なんてざら。都内歩いてて、当初行くつもりがなかったのに立ち寄ることはある。
017. 馴染みの書店・図書館に、なにかひとこと。
ない。
018. あなたは蔵書をどれくらい持っていますか。
たぶん3000~8000の間。
019. 自分の本棚について、簡単に説明してください(“小説が多く実用書が少ない”等々)。
安い材料で組み合わせてるので見かけ上不安。
020. 本棚は整理整頓されていますか。
されていない。
021. 既に持っている本を、誤って買ってしまったことはありますか? その本のタイトルは。
ある。『マルクスの亡霊たち』をネットと書店で同時重複購入した。
022. 気に入った本は、自分の手元に置かないと気が済まない?
実際にいつでも読まないとしても、買う目的ってそういうものでしょ。
023. 本に関することで、悩んでいることは?
場所食うから邪魔。ボタン押したらカプセルとかにならないか。あと、値段と古書流通条件がこの先悪化しそうなこと。
024. 速読派と熟読派、あなたはどちらに該当しますか。
熟読派。だけど、ズボラだから粗はかなりあるはず。粗読みでいいんだよ、と思いつつ勝手に自分の感覚で熟読。でなきゃたぶん本読みなんて続かないと思う。
025. 本を読んでいて分からない言葉があったとき、意味を調べますか?
調べたり調べなかったり。文章から類推できれば調べないで済ませ、適当に文字列だけアンダーラインでも引いておく。外国語の場合、一応辞書ぐらいは引く。
026. 本を読む場所で、お気に入りなのは?
ファミレスとかラーメン屋で小一時間居座って読むのが一番集中できてる気がする。
027. あなたは今、めったに読むことのない分厚い本を前にしています。ところでこの本「すごくおもしろい」という、いつもは信頼できる情報を得たはずなのに、最初の部分がやたらにつまらない。そんなときどうしますか?
気にせず読む or 無視して次の章読む or 唐突に真ん中から読む or 索引から読み出す or 注から読み出す or しばらく机の隣に寝かせておく
028. 本を読むときに、同時になにかすることはありますか?(例:お茶を飲む、おやつを食べる、音楽をかける)
大抵煙草すってるか、音楽か、コーヒー。
029. 読みかけの本にはさむ栞は、何を使っていますか?
鉛筆。
030. ブックフェアのグッズを新たに誕生させることになりました。あなたが「これなら欲しい」と思うグッズを考えてください。
書籍でグッズをほしいと思ったことがない。
031. 無人島1冊だけ本を持っていけるとしたら、何を選びますか。
「次これをがっつり読みたいなあ」とそのとき思ってるもの。そもそも無人島行きたくない。
032. 今、最も欲しい本のタイトルをどうぞ。
ほしいと思ったときには大抵買ってる。ヘーゲル全集や以文社のヘーゲル、マルクスエンゲルス全集が落ちてたら拾いたい。
033. 生涯の1冊、そんな存在の本はありますか? その本のタイトルは。
ない。あったらもう本を読まないだろうし、あってもしょうがないんじゃないかな。
034. 何度も読み返してしまうような本はありますか? その本のタイトルは。
こだわってる本は大抵一度読みか半読みだったりする。そして記憶の中で文章を捏造してることも多い。
035. おきにいりの作家ベスト5と、理由をお願いします。
・デリダ
真面目に不真面目、真面目ゆえに不真面目。タフだなーと思う。
・柄谷
カンがいい。けれど、カンの生かし方を大抵失敗するところが酷い。だけどあまり読み返さない。「カンでいいんだよこんなもん!」という意味では嫌いになれない。柄谷の文章は大抵、「言ってること」よりも「それを著者に言わしめているカン」が重要で、後者を引き継いだ人ってあまりいないと思う。
・ロブ=グリエ
描写、記述、フィクションなんか勝手にやればいいんだよ、と励まされる。
・この三人だけじゃいろいろおかしすぎだろ、と思うが無理矢理増やしても変なのでこのへんで
036. 好きなシリーズ物はありますか?
シリーズって一体何なんだろう。系譜と言い換えるなら、19-20世紀独仏哲学の系譜とか。
037. 本を選ぶときのポイントを教えてください。
足しになるかどうか…なんだと思う。実際になってるかどうかはわからないが。
038. 翻訳小説は、訳者にこだわる方ですか。
あまり気にしない。が、的確さとか訳語とかに結構執拗にこだわる。最終的には「どうでもいいじゃん」と思うことしばしば。
039. 信頼できる書評家は誰ですか?
特にいない。関心があう友人ぐらい。
040. 絵本は好きですか? 好きな方は、好きな絵本のタイトルを教えてください。
いや。あんまり読んだことがない。
041. 本は内容を先に読む方ですか、それとも、あとがきから読む方ですか?
あとがきから読む。ときには最終章から読む。
042. 読みたいのに読めない本はありますか? その理由は。
時間の問題か価格の問題か堪え性の問題。
043. ノンフィクション作品のおすすめを教えてください。
ノンフィクションと言われると伝記しか思いつかなかった。フランソワ・ドス『ドゥルーズとガタリ 交差的評伝』、グリーンブラット『シェイクスピアの脅威の成功物語』
044. あなたの好きな恋愛小説を教えてください。
恋愛小説読まない。
045. 泣けてしまった本を教えてください。
泣いた記憶がない。
046. 読んでいるだけで、アドレナリンが分泌されてくるような本は?
ニコラ・アブラハム/マリア・トローク『狼男の言語標本 埋葬語法の精神分析』とか、ドゥルーズのルイス・ウルフソン評とか。たぶん病気。
047. もう2度と読みたくない本は、ありますか?
そういう本は大抵読み終えないから、1度目がない。
048. 良くも悪くも「やられた!」と思った本はありますか?
岡崎乾二郎のいくつかの文章・発言を読んだとき「先に言われた」と思った。
049. 読む前と読後感が違っていた(食わず嫌いだった)本は?
特に、となるとデリダ。
050. 子供にプレゼントしたい本のタイトルを教えてください。
子供にプレゼントしたいと思ったことがない。スティーブン・ジェイ・グールドとかベイトソンかな。
051. お気に入りの出版社と、その理由を教えてください。
強いて言えば月曜社。小規模なのに頑張ってるから。
052. それでは苦手な出版社は? その理由を教えてください。
とりたてて苦手だと意識したことがない。
053. この本で読書感想文を書いた、という記憶に残っている本はありますか? あれば、そのタイトルは?
読書感想文と言われると小中高のことしか思い出せない。ポーの『黒猫』で書いたことだけ覚えてる。子供のころに読書感想文書くと、最初の数行で書きたいことが終わるから、文章にならないよね。
054. 装丁が気に入っている本を教えてください。
カバー剥いで読んでしまう。造本、厚さ、文字サイズ、紙面内文字率なんてほとんど部数と原本と需給で見積もられるから、作り手の「好み」だけが出やすいのって表紙デザインになるんじゃないかな。初期の月曜社のブランショ、アガンベン、デュットマンの本は「文字組と色面、ペーパーバックって統一スタイルでいけんだよ!(川畑直道装丁) 安価だし、みすずだって法政だってそうじゃん」の勢いが好きだった。そんなもんでいいんじゃね?
055. あなたは漫画が好きですか?
特には。
056. お気にいりの漫画家ベスト5と、好きな作品について教えてください。
岩明均『雪の峠』、真刈信二/赤名修『勇午』、都留泰作『ナチュン』、長谷川哲也『ナポレオン』
057. サイン本を持っていますか?(タイトルと作家名は?)
岡崎乾二郎『ルネサンス 経験の条件』。あと、「買ったらなぜかサインが入ってる献呈本だった」ことがある。
058. 持っているのを自慢したいそんな本はありますか?
特にない。ただ、在庫切れの本を借りてきてスキャンして簡易自家製本して読んでたのが、人から珍しがられる。
059. 東・西・南・北……漢字を選んで、浮かんだ本のタイトルを書いてください(実在する書名に限ります)。
はやしさんの4つが印象的でもう浮かばない。質問の意を汲めば、カント/ヘーゲル、ハイデガー、マルクス、デリダの4極で座標を作れということなのかな。
060. 短編小説集を買ったら、全部読みますか? それとも、その中から気に入った作品しか読みませんか?
短編小説集にかぎらず、この二通りに分岐する。分岐の規則はそのつどの惰性。
061. 憧れのキャラクターを教えてください。
いない。「著者のキャラクター」なら悩みどころ。スガ秀実の地味さとか好き。
062. 印象的な女性キャラクターを教えてください。
上に同じく著者でいこう。アレント。しかしアレントって読んでて異様に退屈しない? いや、読んでる途中がって意味で。
063. 印象的な男性キャラクターを教えてください。
ゼーバルト『アウステルリッツ』に出てくる最初の方のアウステルリッツが「まるで君みたいだね」とか人に言われて、えっと思った。
064. 先生といえば?
誰々を先生と呼ぼうとするとき、自分との絆があるというのを確証したくてやっちゃうものですよね。師弟関係とかさ。その誘惑に乗るのはさておき、とりあえず「デリダから意外にたくさん学んだ」気がする。
065. 探偵といえば?
探偵か……妄想的に「これはこうなんだよ!」と読解したり接合するのは探偵に似てると思う。ただし犯人はいない。『マダム・エドワルダ』に出てくる売春婦みたいなのがきっと犯人でしょうね。で、バタイユが笑うんだ。
066. ベストカップル、ベストコンビといえば?
コジェーヴとラカンとか? 因縁がらみのcomplicationしか浮かばないな。ハイデガーとデリダとか、レヴィナスとデリダとか、マルクスとドゥルーズ&ガタリとか。
067. 本に登場する場所で、行ってみたいと思うのは?
どこに行ってもそこにいないような気分になるから、行く行かないってあんまり関係ないと思う。
068. 子供の出てくる作品といえば?
ストローブ&ユイレの『アン・ラシャシャン』。
069. 動物の出てくる作品といえば?
ドゥルーズ『スピノザ』(スピノザの飼ってた蜘蛛)、ユクスキュル『生物から見た世界』。ニコラ・フィリベールのDVD『動物、動物たち』を買おうかどうか…。
070. これまで出会った中で、もっとも感情移入できたキャラクターは?
感情移入ってあんまりしないなあ。著者でも。ゴダールがナルシスティックに「ヌーヴェル・ヴァーグ…それは一つの新しい波だった」とか明らかに意味合いをでっち上げて物事を回想し、自分の記憶を素材に別物に作り変えるそぶりを見ると、「わかるわかる」とは思う。ゴダールって、自分のバネにするためになら個人的な記憶をなんでも使うって人だね。
071. 本の登場人物になれるとしたら、誰(何)になりたいですか?
なりたいと思ったことないな。キェルケゴールやデュシャンみたいに安穏に生きれたら最高だけど。
072. 夢中になった作家、現在進行形で夢中な作家の名前を教えてください。
夢中ってあんまりならない。「ラクー=ラバルトいいよね!」って気分に最近なってる。
073. 1日だけ作家になれるとしたら、誰になりますか。
死ぬ前のデリダになって、「私の晩年を倫理的展開などと考えてはならない。知られざる転回に着手した途上で私は死ぬゆくだろう」とか大いに挑発的な文言を残してみたい。
074. 編集者になるとしたら、どの作家の担当になりたいですか?
なりたくない。でも「小間使い・世話役」の役割はともかく、発行者/編集者/著者というレイヤーって今後きっちり論じられた方が面白いと思う。ミニュイのジェローム・ランドンとかロブグリエが下読み役やってて監査してたとか、フランス文壇・哲学における雑誌や叢書のチーフになるという伝統とか。このレイヤーの絡み合いってもうちょっと考えられることや考えるだけの材料があるんじゃないかな。
075. 好きな作家に原稿を依頼するとしたら、どんな作品を希望しますか。作家名とジャンルを教えてください。
これも著者で想定するとして…現在、著者に対して編集者が持てる権限ってそんなに無いよね。「翻訳依頼」ぐらいじゃないかな。この質問の73-76って読者が著者を代行したいという願望ゆえにあるんだろうけど、代行よりやるべきこといっぱいあるんじゃないの? と疑問に思う。
あと、原稿依頼じゃないけど、ネグリ来日失敗のときに「衛星放送だろうとネット中継だろうといいから週1で講義とか講演流せる体制組めば?」と思った。問題は来日するしないじゃないでしょ。で、ネグリつながりのある人ってそこそこいるじゃん日本にも。市田良彦とか。なんで「ネグリよこせ。週1時間でいいから、内容は他国でやってる講演とかぶってもいいから」という声にならないんだろう。
076.「あの作家に、これだけは言いたい」……ひとことどうぞ!
大抵誰かにどこかで言ってるからもういいや。
077. 紙幣の肖像、私ならこの文豪を選ぶ!
どうでもいい。そういえばゴダールがパニョルを引用して、「鉄仮面をはぎとった後にはクローズショットの起源があった。それは硬貨に彫られた王の肖像である」というのが『映画史』2Bであったけど、みんな王権が好きなんだろうか。背後にいる「金gold」がいわば本体みたいな。金本位制の崩壊と王権の問題ってつながるんでしょうかね。
078. 文章と作家のイメージが違っていた、そんなことはありますか?
大抵違ってるような…。
079. あなたにとって、詩人といえば。
詩とは散文に対して否定的媒介となるもので、何らかの現前性を志向すると詩に「なっちゃう」んじゃないかなあ、と最近思う。というわけで月並みだけど、ヴィジョンの真理の現前ということでランボー。
080. 家族……この単語から連想した本のタイトルを書いてください(実在する書名に限ります)。
ジャック・ドンズロ『家族に介入する社会 近代家族と国家の管理装置』
081. 本を捨てることに抵抗がありますか?
本のみならず、「その本を読んだ自分」をときには捨てた方がいいと思う。自分自身をスパっと切るセンスって重要じゃないかな。実際に本を捨てたことはない。だって、取り戻すのに手間食うもの。売っても金にならんし。
082. これだけは許せない、そういう本の扱い方はありますか?
ない。ページ割って開くし、開きすぎてセロテープで直すし、文庫ならばらしてホチキスで止めることも。たまにボールペンで書き込むし、頁の端も折り曲げる。
083.“活字離れ”について、どう思いますか?
半読みだったり積んだり放置したりする私は、活字に離れつつ接しつついるようなものです。
084. 本を読まない人のことを、どう思いますか?
読む人は勝手に読めばいいし、読まない人はそれはそれで。本を読んだからといってどうというものでもない。あと、「読んでないにもかかわらず先手を打つ」とか重要だと思う。具体的に言いにくいけど。
085. とりあえず、本を持っていないと落ち着かない。そんな癖がありますか?
ない。外出の際には1,2冊バッグに入ってるが、読むとは限らない。
086. 世界中で、本の出版が禁止されたら、どうしますか?
考えがたい。識字教育と人材生産にとって書籍を介することがなくなるとは思えないし、それらを阻止することが世界的に出現する事態もまずありえない。
087. 青空文庫を利用したことがありますか?
ある。でも組版込みのpdf化をした方が利用可能性が高まると思う。
088. 電子図書館についてどう思いますか?
上と同じく。ブリュースター・ケイル(Brewster Kahle)の仕事はもっとまとまって紹介された方がいいんじゃないかな。UBUと訴訟沙汰とかそういういろんな問題も含めて。
089. 将来的に、本という存在は無くなると思いますか?
086と同じ。
090. 本が無くても生きていけると思いますか?
思う。
091. この人の薦める本なら読んでみたい、そう思う有名人を教えてください。
039と同じ。特にいない。
092. 映像化してほしい本はありますか?
093. テレビ化・映画化で成功したと思う作品を教えてください。
094. 本の中に再現したいと思う(実際に再現した)場面はありますか?
あんまりそういう欲望を抱かないし、そういう目で見ない。ストローブ&ユイレがそういう意味では面白いけど、「映像化」とか言われるとしっくりこない。別媒体への翻訳という問題でしょうね。
095. あなたにはどうしても読みたい本があります。その本は既に絶版・品切。さあ、どうしますか?
オンライン古書店で買えばいいじゃん。ただ、今後、部数と古書市場流通そのものが減ってくるから、古書購入のチャンスそのものが難しくなり、公共図書館の問題が出てくるでしょうね。データ公開と高性能個人製本機のコンビはもう少し実現しないだろうし。
096. 本という存在に対して、文句はありますか?
邪魔になってくれなくて、価格決定プロセスが変化すれば、面白くなるだろう。
097. 心に残っている言葉・名台詞は?(原典も明記してください)
「忠実ゆえの不忠実」 (デリダの中期以降は大抵の本で出てくると思う)
098. あなたにとって、本とおなじくらい蠱惑的なものは何ですか。
そもそもあまり本に蠱惑的なものを感じないような。すれ違い続けるのが本なんじゃないでしょうか。そして何事もそんなもんだと思う。
099. 出版業界にひとことどうぞ。
86-99は媒体としての本って話だね。主権行使、商業活動、資金投入・図書館の公共的領域の三層構成を是正できませんか? 復刊ドットコムなんて商業活動による一極集中しかないのだと暗に肯定してるようなもんでしょう。いや、今だとそれしかないのは理解できますし、版元が苦しかったり在庫切れも構造上仕方がないのはわかりますが、なんで「他のあり方もありうる」とか誰も荒唐無稽に語り出さないのか。
100. つまるところ、あなたにとって本とは。
脳に直接注入したりテレパシーが生じないことには、言語にならざるをえないでしょうねえ、というもの。
----------------------------------------------------------------------------
本棚写真
(2009.6.5.投稿記事)
はやしさんのところで本棚晒しの話題になったので、画像記事作り練習とTB記事練習を兼ねて。ふむふむ、ブログ記事として表示されるときはこのサイズが限界なのかな。width: 300px; height: 400px;となってるからいじればもうちょっと大きくできそうだけど。クリックすると画像のオリジナルのサイズに巨大化します。
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