2007年12月28日金曜日

雑記9 パブリックドメイン映画についてB

雑記7で挙げたBraitrust Corporation社のリストを全部見るのが面倒くさい&代表的な映画監督の監督別まとめを見たい 人のために、PD作品をピックアップしてみます。選択基準はいい加減ですが。古典映画がほとんどあると言っていいのではないかという揃い振り。少なくともドゥルーズ『シネマ1』で言及される戦前の映画はほとんど出てくるんじゃないか。以下、監督名『作品名』(公開年)で略記。

・ヒッチコック『おかしな成金夫婦』(1931),『暗殺者の家』(1934),『三十九夜』(1935), 『間諜最後の日』(1936),『サボタージュ』(1936),『バルカン超特急』(1938),『岩窟の野獣』(1939),『海外特派員』(1940),『断崖』(1941),『スミス夫妻』(1941),『迷走迷路』(1942),『疑惑の影』(1943),『白い恐怖』(1945),『パラダイン婦人の恋』(1947),『汚名』(1949),『私は告白する』(1953),
・プドフキン『アジアの風』(1928)
・ヴェルトフ『これがロシアだ』(1929)
・エイゼンシュテイン『ストライキ』(1925),『戦艦ポチョムキン』(1925),『十月』(1927)
・フラハティ『極北の怪異』(1922)
・ヴィーネ『カリガリ博士』(1920)
・ムルナウ『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922),『最後の人』(1924),『ファウスト』(1926),『サンライズ』(1928)
・ラング『ニーベルンゲン クリームリヒトの復讐』(1924),『ニーベルンゲン ジークフリート』(1924),『スピオーネ』(1928),『月世界の女』(1929),『M』(1931),『暗黒街の弾痕』(1937),『死刑執行人もまた死す』(1943),『熱い夜の疼き』(1952),『復讐は俺に任せろ』(1953),
・ルノワール『大いなる幻影』(1937),『ゲームの規則』(1939),『河』(1951),
・ブニュエル『アンダルシアの犬』(1928)
・ドライヤー『吸血鬼』(1932)
・ヴィスコンティ『郵便配達は2度ベルを鳴らす』(1943),『揺れる大地』(1948)
・デミル『クレオパトラ』(1934),『平原児』(1936),『絶海の嵐』(1942),『征服されざる人々』(1947),『サムソンとデリラ』(1949),『地上最大のショウ』(1952),
・カルネ『北ホテル』(1938), 『霧の波止場』(1938),『日は昇る』(1939),『天井桟敷の人々第一部』(1945),『天井桟敷の人々第二部』(1945),『港のマリイ』(1949)
・レルビエ『幻想の夜』(1942)
・クレール『巴里の屋根の下』(1930),『自由を我等に』(1931),『ル・ミリオン』(これは『百萬』という邦題があったような)(1931),『そして誰もいなくなった』(1945),
・ヴィゴ『アタラント号』(1934)
・アンリ・ジョルジュ・クルーゾー『犯罪河岸』(1947)
・ベッケル『肉体の冠』(1952)
・ブレッソン『ブーローニュの森の貴婦人』(1945)
・クレマン『禁じられた遊び』(1952)
・コクトー『詩人の血』(1930),『美女と野獣』(1946),『双頭の鷹』(1948),『オルフェ』(1950)
・フォード『肉弾鬼中隊』(1934),『駅馬車』(1939),『怒りの葡萄』(1940),『わが谷は緑なりき』(1941),『コレヒドール戦記』(1945),『荒野の決闘』(1946),『三人の名付け親』(1948),『黄色いリボン』(1949),『幌馬車』(1950),『リオ・グランデの砦』(1950),『栄光何するものぞ』(1952),『静かなる男』(1952),『モガンボ』(1953)
・ホークス『特急二十世紀』(1934),『赤ちゃん教育』(1938),『コンドル』(1939),『ヒズ・ガール・フライデー』(1940),『教授と美女』(1941),『脱出』(1944),『三つ数えろ』(1946),『赤い河』(1948),『僕は戦争花嫁』(1949),『モンキー・ビジネス』(1952),『紳士は金髪がお好き』(1953),
・ヒューズ『地獄の天使』(1930),『ならず者』(1943),
・スタンバーグ『モロッコ』(1930),『上海特急』(1932)
・ジンネマン『真昼の決闘』(1952),『地上より永遠に』(1953)
・ヒューストン『マルタの鷹』(1941),『黄金』(1948),『キー・ラーゴ』(1948),『アスファルト・ジャングル』(1950),『赤い風車』(1952),『アフリカの女王』(1951),
・マッケリー『新婚道中記』(1937),『我が道を往く』(1944),『聖メリーの鐘』(1945),
・ミネリ『ジーグフェルド・フォーリーズ』(1941),『若草の頃』(1944),『巴里のアメリカ人』(1951),『バンドワゴン』(1953),
・キング・ヴィダー『南海の劫火』(1932),『白昼の決闘』(1946),
・ヘンリー・キング『シカゴ』(1937),『世紀の楽団』(1938),
・ウィリアム・ウェルマン『民衆の敵』(1931)
・キャプラ『或る夜の出来事』(1934),『失われた地平線』(1937),『スミス都へ行く』(1939),『オペラハット』(1939),『素晴らしき哉人生!』(1946),
・ホエール『フランケンシュタイン』(1931),『透明人間』(1933),『フランケンシュタインの花嫁』(1935)
・フレミング『ヴァージニアン』(1929),『オズの魔法使』(1939),『風と共に去りぬ』(1939),『ジキル博士とハイド氏』(1941)
・カーティス『ケンネル殺人事件』(1933),『海賊ブラッド』(1935),『汚れた顔の天使』(1938),『ロビンフッドの冒険』(1938),『無法者の群』(1939),『女王エリザベス』(1939),『シー・ホーク』(1940),『カサブランカ』(1942),『ミルドレッド・ピアース』(1945),『夜も昼も』(1946)
・プレミンジャー『ローラ殺人事件』(1944),『堕ちた天使』(1945)
・キューカー『晩餐八時』(1933),『ガス灯』(1944),
・スタージェス『パームビーチ・ストーリー』(1942)
・バズビー・バークレー『私を野球につれてって』(1949)
マンキーウィッツ『三人の妻への手紙』(1949),『幽霊と未亡人』(1947),『イヴの総て』(1950),『復讐鬼』(1950),『うわさの名医』(1951)『ジュリアス・シーザー』(1953),
・ワイラー『デッドエンド』(1937),『黒蘭の女』(1938),『嵐が丘』(1939),『月光の女』(1940),『偽りの花園』(1941),『ミニヴァー夫人』(1942),『我等の生涯の最良の年』(1946),『西部の男』(1951),『黄昏』(1952),『ローマの休日』(1953)
・ワイルダー『失われた週末』(1945),『サンセット大通り』(1950),『第十七捕虜収容所』(1953)
・ウェルズ『市民ケーン』(1941)
・ルビッチ『生活の設計』(1933),『生きるべきか死ぬべきか』(1942)
・ウルマー『黒猫』(1934)
・ウォルシュ『金髪乱れて』(1932),『暗黒の命令』(1939),『彼奴は顔役だ』(1939),『夜までドライブ』(1940),『壮烈第七騎兵隊』(1941),『ハイ・シエラ』(1941),『白熱』(1949),『遠い太鼓』(1951),
・ヘンリー・キング『英空軍のアメリカ人』(1941),『海の征服者』(1942),
・リード『第三の男』(1949),
・シオマドク『裏切りの街角』(1949),『真紅の盗賊』(1952)
・ルイス『拳銃魔』(1949)
・パウエル『赤い靴』(1948)
・カザン『紳士協定』(1947),『欲望という名の電車』(1951)
・ロッセリーニ『無防備都市』(1945),『ドイツ零年』(1948),『神の道化師、フランチェスコ』(1950)
・デ・シーカ『自転車泥棒』(1948),『終着駅』(1953)
・レイ『孤独な場所で』(1950),『危険な場所で』(1951),『太平洋航空作戦』(1951)
・マン『ウィンチェスター銃'73』(1950),『怒りの河』(1951),『グレン・ミラー物語』(1953)
・シーゲル『狙い射ち二挺拳銃』(1952)
・フライシャー『その女を殺せ』(1952)
・ドーネン『シャレード』(1963)

 列挙していくと、ん?この監督のこれこれも入ってておかしくないのでは? という余地が沸々と沸いてきますね。

 さて、PDの有名作品の簡単な整理は一旦これぐらいとして(publicdomaintorrents.の方にはキートン作品集などもあり、上のリストはもちろんごく一部)、第一、やることというと、PD・非PDを問わずすでにupされている古典作品を紹介することか(何もこのブログが担当する必要もないし、各自誰でも調べてる)、ニコニコにupすることか(呼びかけてupするものではないし、関心ある人は各自がやるはずなので、個々人が関心にもとづいて勝手にやればいいし、私も何かやろうと思ってるし)、ぐらいになるので、やる作業はこれまでとあまり変わらない。記事面は翻訳・注釈・読解を淡々と進めるブログに再び戻るのだろう。PDに関する状況は雑記7のコメント返答で書いたように、進展待ちということになるだろうか。
 「もっと知られてもいい状況」だな、と思ったので、ある程度書いてみた。激安古典DVDは単に商業上の帰結、反映であって、その背後にある状況はこれだってことですね。そして、それはどこまでネット上の諸行為、諸連携にまでつながりうるのか、と。やりようはまだまだあるように思う。ゴダールタグ内でこれまで試行錯誤してきたニコニコの画面上注釈にしても、そろそろやり方を再考してみようかな。

■ 追記(2007年12月30日)
 中小書店を含むいたるところで見かける500円DVD(KEEP社など。ex.某小売店が作ったリスト)でほとんど上記リストは網羅されていることを忘れていた。パッケージに「50年経過」と記されていることだし、知られてもいい、どころではなく、単に私が知らなかっただけのようだ。

【調べた後での留意点】
・レンタルされている通常のDVDの質と比較した記事では「鮮明度において差がある」と言われてもいる。
・ブログ川越名画座作成の現在発売中の500円DVDリストでは358タイトルがリストアップされている。ここに並ぶ作品は本記事のリストとの重複を多く含む。できればまだ「発売されていない作品」チェックや、ヒサミチさんの挙げてくれた諸サイトでは既にアップされているが未発売orPDリスト未記入であることをチェックなどもしたほうが整理になるのだろう(とりあえず保留中)。
 Braitrust Corporationは、販売商品の少なさから考えると、おそらく主要4社には及ばない後続社という位置になるのでしょうね。