ゴダール&ミエヴィル『古い場所』
(Jean-Luc Godard, Anne-Marie Miéville, The Old Place, 1998)
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ニューヨーク近代美術館(MoMA)からの委嘱で作られたミエヴィルとの共同監督によるこの作品は、「20世紀末における美術の役割」についてのエッセイである。基本的に『映画史』終章のスタイルを引き継いで、映画・絵画・写真の引用に、ベルクソン、ボルヘス、ヴァレリー、チェスタトン、トーマス・マン、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの文章や、ボルタンスキーやユーゴの戦争写真などについての批判的な考察が加えられ、「伝説としての美術/現実としての映画」、「時間の外」、「永遠の終焉」などの印象的な文字タイトルが重なって展開していく美術をめぐる挑発的な思考と言える。
また、この作品は、『忘却に抗って』以来、およそ8年ぶりのミエヴィルとの共同監督作品であり(『モダンタイムズ』で国境を跨いで歩くチャップリンは、『ダルティ報告』でも本作品でも用いられる)、それによって本作品では『映画史』の問題系に微妙な偏差が加えられている。
(『ユリイカ』2002年5月号「特集=ゴダールの世紀」、堀潤之「ゴダール・フィルモグラフィー 1987-2001」から抜粋)
■追記(2007年12月14日)
数ヶ月前のニコニコ動画運営側の調整によって、アカウントなしで見るためのニコニコ動画ビューアが通用しなくなったため、該当URLへのリンクは削除した。
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